無知の知・・・シルクロード旅行で学んだこと

1987年。就職を前にして、今度、長期海外旅行が出来るのは、退職後かも・・・と3週間の旅行に出かけることにしました。
有り金はたいて、選んだ行き先はシルクロード


大阪からフェリー「鑑真号」に乗り。たしか一昼夜の航海。
ついに大陸が近づいてきた・・・甲板に出てまず感じたのは、空気の匂いの差。そう、中国物産展の、あの匂いがするんです。とってもエキゾチック!!!あぁ、外国に来たんだなぁ!!!!!
揚子江に入ります。水の色は変わったけれど、対岸が見えない。遣唐使の答礼できた使節が瀬戸内海を見て「日本にもなかなか大きな河があるじゃないか」と言ったというのは、誇張でもなんでもなかったんだなぁ。レンガ造りの街、竹で編んだ建築足場、トロリーバス、道路のどこでもどんどん渡る人々、間仕切りがすごく低いお手洗い、荘厳で音楽的な読経、甘〜いブランデー、などなどなど。五感に触れるものすべてが違うっ!


それから3週間。北京-西安-蘭州-敦煌-トルファン-ウルムチ。全期間、ずっとこんな調子でさまざまな文物と出会い、たくさんの人々とお話しをし、数々の思い出を創り。


そして、ウルムチから飛行機で上海に戻ってきました。
ドアが開き、湿り気を含んだ空気が。お、身体が喜んでる!
「あぁ!生まれ故郷の温帯に帰ってきたぁ!!!」
・・・予想をはるかに超えた感慨でした。わずか3週間前、あんなにエキゾチックに感じられた空気。そのおんなじ空気を、なじみのある、懐かしい、まぎれもなく慣れ親しんだものとして感じている。なんとまぁ・・・・・。


文化はさまざま。様式も・考え方も・優先順位も、多種多様。違っていました。
でも、おんなじ人間。通じるなにかがある。言葉がまったく通じなくても、文化的背景はまったく違っていても、理解しあえる。


文化的違和感って言うのは、所詮、より大きな違いを知らないだけなんだなぁ・・・

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http://d.hatena.ne.jp/BigLove/searchdiary?word=%a5%b7%a5%eb%a5%af%a5%ed%a1%bc%a5%c9

  • 3/8追記

素敵な記事を見つけたので、トラックバック
http://blog.so-net.ne.jp/inafu/2005-03-07

盲いていました。
普段自分の知らない世界の人たちを、よく知らなかったなと思います。
具体的に言うと、結婚して子供のいる女性というのが僕には一番遠い存在で
そして一律にある思い込みで見ていたように思います。
ブログを通して、どのような状況にいても
感性のいい人は当たり前のようにいるのだということを知りました。

うん。Blogも「無知の知」を教えてくれますね。

おそらくそのことで世の中って
自分の思っているよりはもっとましなもんなんじゃないかと信じてみたい気も湧いてきました。

「知らない」ということを認識するのが怖いから、
すりかえて、「知らない世界・ひと・もの」を怖がる
・・・なぁんて傾向も、人間の心には在るかも。
「自分はOK、NGなのは他者!」って、思い込みたがってしまう。
「知らない世界」なんだから、怖いんだかどうだかも、ほんとはよく知らないはずなのに、ね。

少なくとも世の中にいる一人一人の人は、もっとやわらかく、信頼できるのではないかと思います。
ブログを通して
自分の狭い体験の中から、いろんなことを決め付けずにすむことが
今まで以上に出来るように思います。

大きく言えば。世界平和ってこの延長線上にあるんだと想うなぁ・・・。