【ETV特集】2011年5月15日夜10時「ネットワークでつくる放射能汚染地図〜福島原発事故から2か月〜」

ETV特集では1954年のビキニ事件以来、放射線観測の第一線に立ち続けてきた元理化学研究所の岡野眞治博士の全面的な協力のもと、元放射線医学研究所の研究官・木村真三博士、京都大学広島大学長崎大学放射線観測、放射線医学を専門とする科学者達のネットワークと連係し、震災の3日後から放射能の測定を始め汚染地図を作成してきた。観測チームは、周辺地域の土壌、植物、空気中の粒子を採取し放射線量を計測する一方、岡野博士が開発した計測機を自動車に搭載して、福島県内の道路2000キロを走破した。この計測器はビデオで撮った現場映像とともにGPS情報、放射線量、放射性核種のスペクトルを、同時記録してゆくことができる世界唯一の機器であり、チェルノブイリ事故での計測により国際的な評価を得ている。
一方、文部科学省福島県IAEAアメリカエネルギー省も、独自に汚染の計測を進めており、その結果が公表され始めている。これらのデータと、独自収集データをつきあわせることで、原発周辺地域のきめ細かい土壌汚染のマッピングが可能になる。
番組は、放射能汚染地図を作成してゆくプロセスを追いながら、原発災害から避難する人々、故郷に残る人々、それぞれの混乱と苦悩をみつめた2か月の記録である。

開始20分後から60分まで、偶然見る。
おだやかなナレーション。でもその内容は、実に重かった。
悩みながら、ぎりぎりの選択をする現地のひとびと。
ところが、それなのに、判断に必要な情報が、政府からは提供されない。
風評被害を防ぐため」と、測定地名を伏せて公表されている、線量測定データ。結果、NHK取材チームが実測線量を示し、避難を決断するまで、無用に被曝し続けた人々が居る。風評被害を防ぐのは、そこに住むひとたちのためなんじゃないの?
使命感で危険な現地で調査を続ける、たくさんの科学者たち。
シベリア抑留から戻り、養鶏をはじめ、大きく育ててきて・・・みんな餓死した養鶏小屋で、穏やかな笑みさえも浮かべながら、悲しみを語る経営者。