鶴瓶の家族に乾杯 五箇山 杉山愛さん

弦楽器の弓制作の第一人者が、唯一のこきりこ作者。
ギター制作の第一人者が、麦屋節保存会の世話方。

鶴瓶さん:こきりこの魅力って、なんですか?
うーん・・・そう訊かれると、弱っちゃうなぁ。物心ついたときから、そこにあるもんだったからねぇ。
こきりこがあるから、盛り上がる。若い人も帰ってくる。

五箇山で15年ぶりに生まれた赤ちゃん。そのおうちは、今、小さなお子さんが4人。
お父さんが創ったイワナの寿司。継ぐために帰ってきた息子さん。


先週紹介された、20年ほど前に民宿に泊まって、そのあとお嫁に来た二組。
そんな時期もありながら、そのあとしばらく、ひとが流出する時期が続いたのかも。
魅力のある土地、故郷愛。それでも厳しい時期もあったのだろう。
でも、ひとを惹きつける、魅力ある生活が営まれてる。
出て行って、修行をして、戻ってきて。30年前も、20年前も、今も。


僕の郷里に、それだけの力はあるだろうか・・・。

プロフェッショナル 吉田都さん

凄い世界、素晴らしい高み。
でも、ここまで追い込まなきゃならないものなのかなぁ・・・だからこそ、のあの高みなのだろうけれど、僕にはできないし、やりたくない・とも想っちゃった。


リハーサル、本番、オフ、まるっきり顔つきが違う。
足がまっすぐに見える角度って、あぁ、これなのか!
スーパーバレエレッスンの、あの具体的かつ、示唆に富んだ指導は、ロイヤルバレエ団の、この練習そのままなのか!
練習を見に来た顧問。再会を喜ぶ友人としてのこころからの笑顔と、練習を見つめる厳しい瞳。だからこそ、あれだけレベルの高い踊りに対して、具体的に”もっと情熱を!”とダメ出しができる。進むべき高みを、提示できる。


練習で120%追い込むから、本番で100%が出せる。
そうかもしれない。そうなのだろう。
と同時に・・・
毒を飲んで倒れたロメオを抱きしめる長さで「もっと長く抱きしめたいって想うものかしら・・・」と悩む都さんに、こう言いたくなった。
「そんなの、本番で必ずインスピレーションが来るよ。だって、あなたが愛するロイヤルバレエ団と、最後の別れをしなければいけないシーンでもあるんだから。」


でもきっと、
自分を認め切れず、いつもより高い理想を見てしまう都さんだからこそ、あの儚さや可愛らしさや一途さが現れるんだろうなぁ。


一番印象的だったのは、楽屋のインタビューの、この瞬間。
(以下、メモを取らず、今記憶で書いてるので、言葉は大いに不正確だと思います)

35年間振り返って、いかがですか?
「悔いはないです。力を尽くして、できる最高のことをやってきましたから。」(確信に満ちた、にこやかな笑みで)
これまでいつも舞台のたび、”もっとああできたら”っておっしゃってましたよね。
(虚を突かれたように涙があふれ)「・・・おだやかな気持ちになってしまったんです。これでは、やっていけない。」

やれるだけのことを、やった。やりきった。
ご自身を認めた。満たされた。
これ以上はできない・という諦念でもあるのかもしれない。


僕は、その先を観てみたい。
衰えていくからこそ、満たされたからこそ、表現できる世界もきっとある。
素敵な老ミュージシャンたちのように。