ゲイツとバフェット 後輩と語る

ウォーレン・バフェットさんとビル・ゲイツさんが、ハーバード大学の学生の質問に答える。2000人くらい入る講堂だろうか、ステージ上には、二人を囲むように、200人くらいの学生が。そして、次々と、アドリブで質問。
二人とも、ユーモアに溢れてて、実に暖かく、率直。
ゲイツさんは、ハーバード大学のトレーナーを着てる。
ウォーレン:君、それを着てもいいの?
ゲイツ:いや、途中で脱ごうと思ってたんだけど・・・(ゲイツさんは、ハーバード大学を中退してるのだ(^^;)

  • 誰に相談しますか

ウォーレン:鏡・・・ほんとだよ!
ビル:一人で静かなところに行く。それでも抱え切れない大きな問題は・・・バルマー、妻など、僕のことをよく理解してくれている親友が居る。バルマーは経営肌・僕は技術者肌だが、お互いの考え方を学んできたから、厳しい話も出来る。妻は、僕のぬけているところを、良くわかっててカバーしてくれる。パーティーに行って、招待してくれた人に挨拶し忘れたりするんです。(ウォーレン:そりゃまずいねぇ!(^^))いろいろ抜けてるんだ・・・妻には助けられてます、

  • 経営陣に入るには

ウォーレン:才能に長けた人は、はじめから目立つ。身に着けておいたほうがいいスキルは、人前で話すこと
ビル:昇進は入社3年目から。経営戦略を立てるのが上手いか、開発能力に長けているか、リーダーシップに長けているか。ただ、この3つとも長けている人はなかなか居ない。カバーしてくれる人を持つ人も、なかなか居ない。

  • 成功の秘訣

ビル:スケジューリング。学生の頃は期限ぎりぎりに駆け込んでやってた。こつこつやる人を馬鹿にしてた。この癖で苦しんだ。
ウォーレン:ヒーローを持つこと。自分に投資する。夢中になれることを若い頃に見つける。

  • ものの溢れるこの時代、子供たちにどんなふうに健全な価値観を

ウォーレン:僕は、小さな家に住んでるし、有名じゃなかったし。子供たちは、僕がどんな仕事をしてるかも知らなかった。ビルはそういうわけには行かなかったでしょ?
ビル:限界があることを教える。幼い頃に、アフリカやアジアで現地の暮らしを見せることが出来たのは幸せでした。何十年か後には、世界中のひとが豊かに暮らせてるといいですね・・・
ウォーレン:私の財産の99%は、慈善団体に寄付することになっている。ビルもおなじ。子供たちは、そこそこの金持ちにしかなりません。莫大な財産を継承することに興味が無いんです。アメリカらしくないじゃないですか!才能があるものに、公平にチャンスがある。それがアメリカらしさ。

  • 税率のフラット化

ウォーレン:反対です。今でも十分フラット。金持ちを優遇しすぎ。私たちの税率は低すぎる。
ビル:そう思います。税率の一部は、もっと累進的にするべきです。
ウォーレン:やろうと思えば、私は相続税をまったく払わずにすごすことも出来る。(手法を説明する)・・・こういうのは、不公平ですねぇ。

  • 遺産の使い方

ウォーレン:慈善団体に寄付して、そこで効率的に使ってもらいたい。ビルとメリンダの財団ほど、資金を有効に使って大きな成果を挙げているところはない。あんなふうに。
ビル:もしあなたが幸運にも、社会の富の一部を手にすることが出来れば、それを恵まれない人に循環させてあげてください。富だけでなく、頭脳も。

  • 人生で最大の成功

ウォーレン:二人で先日、卓球のジュニアチャンピオンと試合をしたんだよ。9歳のこんなちっちゃな女の子に、一ポイントも取れなかった。ビルは何ポイントかとったかな。まったくくやしい・・・(^^)。
ビル:ビジネス以外では、いい家庭を築きたい。いまのところは、まずますうまくいっていると思います。素直にそだってくれている。
ウォーレン:養子にもらいたいという希望が殺到してるんだよ(^^)僕はひ孫に。成功について、話しておきたいことがあります。有名でなくても「幸せな人生だった」と心から思っている人たちが、たくさん居る。暖かい友人や家族に囲まれて。こういう人たちが、成功者だと思います。一方、自分の名前のついた大学があり、財産を持ち、でも、誰からも愛されない、自分でもそれがわかっているひともいます。それは成功した人生とはいえない。皆さんには、成功した人生を歩んでいってもらいたい。
学生たち、立ち上がって拍手。


はじめのころは、なんだか猛禽類のような目つき・顔つきだった学生たち。
次第に柔和な顔になっていき、最後は、ウォーレンさん・ゲイツさんのように、慈愛に満ちた温かい雰囲気をみなまとっていたのが、とても印象的だった。
なんのための人生なのか、なにが大切なのか、とてもはっきりとつかんだのではないだろうか。


心洗われる思いだった。真の”実業家”。素晴しいなぁ・・・。
僕の課題は・・・わくわくしながら職場にいけるような仕事と、リーダーシップだなぁ。

ぼくたち人間、なにが楽しいって、
世界をより素敵に変えていくことほど、楽しいことは無い。
どうやらそんなふうに、出来てるみたいだよ。