インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国

心に残るような映画じゃないけれど、エンタテイメント。
たくさんの期待を背負いつつ、その期待をちゃんと超えている。


スピルバーグ映画の、ある種集大成。
ただ・・・ほかの映画の予告編も含めて想う。CG、確かに凄い進歩だし、そのおかげで描けた映像もあるし、その意義は大きいけれど、食傷気味。

1930年代と1950年代。
先日、若い友人に「最近、1930-50年代の鉄道車両に魅力を感じるんです」と言われて、驚いた。
えっ、それ、ひとくくりには出来んだろう。
戦前
戦時中と復興期
戦後
・・・この3期間で、技術もデザインもニーズも、まるっきり違う。平和な時代の20年間とは、訳が違うぞ。


今回の映画は、1957年の設定。
核兵器におびえ、国のため活躍した人々をも共産圏のスパイと疑う、疑心暗鬼の時代。
ロックンロール、華やかな色彩の服にスタジアムジャンパー、改造車、バイク、革ジャンとリーゼント、ダイナー。若者文化が花開いた時代。
ちょうど、ディズニーランドがオープンした時代。


これまで3作品が描いた1930年代とは、大きく違う。
でも・・・そう、あの3作品が創られてから今までと、同じ年数なんだよなぁ。わずか20年なりの違わなさも、なるほど厳然とある。




たぶん4大文明以来、数千年間、規律や慣習や伝統や権威にのっとって、ひとは動いてきた。そして・・・破綻を迎えつつある。
ひとりひとりが、自然とのつながりを取り戻し、自律的に動く。自律した個人同士が、協働して大きなことを成し遂げる。そんな社会に変わっていかねば、人類に未来は無いだろう。過去300年が、大きな目で見れば、その過渡期と言えるんじゃないだろうか。
そして、20世紀初頭って、「自律した個人の協働」の実例が、はっきりと現れ始めた時代と言えるのかも。だからこそ、僕は惹かれるのかもしれない。
ひとが、どう生きればよいのか。たくさんのヒントが、あの時代の人物や文化には、ある。