nhkスペシャル 栄ちゃん 俺たちはもう一度走れるだろうか

昨年末のライブハウスツアー。たくさんの会場で、たくさんのコンサートを連続で。凄いパワー。「56歳、身体はがたがたなのよ。感謝だね」


”あなたにとって矢沢栄吉とは”というメールを募集、取材。ほぼ僕と同世代のファンたち。
その取材テープを栄ちゃんと観ながら。
俺のファンは熱いよね。
「寂しいのぅ、侘しいのぅ、なんでこんな思いせにゃいかんのかの」と想った時、自己暗示をかける。「チャンピオンシップ前のボクサー・・・眠れないんだろうな、なんだ、俺一人じゃない。こんな思いをしてるのは、世界中にたくさん居る」俺のファンも、そうなんじゃないかな。
「赤坂にビルを・・・この10ヶ月、きっちり社長をやってきた。こんなこと気にせずに、音楽に集中できる環境を創るため・・・いや、性格だろうねぇ。全方位、ぜんぶほっとけない。・・・ただこれだけはいえる。全部手を抜かずにやってきたから、どれも一個づつちゃんと形になってきた。
「矢沢栄吉ならどうするだろう」って語り合える仲間。歩けなかった奥さんが、コンサートでタオルを投げ上げられた。・・・「ウォルトならどうするだろう」、ディズニーランドで身体が動いた。それとおんなじだなぁ。
ファン同士とわかり、結婚。夫が急死。一年の新婚生活。


もし、2006年の今、新人アーティストとして「矢沢栄吉」がデビューしたなら。
まったく変わんないんじゃないの?「君はファンキーモンキーベイビー」ぱこーんと殴られて。男のファンがわーっと追っかけて。フリーターやってたやつがこうしちゃいらんないと立ち上がって。・・・殴られたほうがいいんだよ。俺もそうだった。牛乳盗んで飲んだりして、板金工にでもなるか・・・それがビートルズの「プリーズミスターポストマン」にパコーンと殴られて。なんだこりゃ!みんなぜひ、そういうのに出会ったらいいね。


いろんな人生。ケーキ屋廃業。リストラ。
「ひとはみな打たれ弱い。打たれ弱くていいんだけど、それだけじゃだめなんだよ。立ち上がる。誰のために。胸糞悪い自分のために。」
チェーン店の拡大に失敗、店を失い2年間引きこもり。そしてラーメン屋台をはじめ。「最初は見とれよ、見返しちゃる。でも、やがてそんなのどうでも良くなった。」雨漏りの修理や寒さ対策を手伝ってくれる中学校の友人たち。お客さん。「愛されてるなぁって感じる」


「矢沢が受け止めてくれて嬉しい。ファンの皆さんそうおっしゃる。でもこれはいっときたい。僕は全部自分のためにやってる。嬉しいから嬉しい、怒るから怒る、感激するから感激する。ひたすら素直に奏してるだけ。それが大切。年1回のコンサートは会合。ファンのみんなも自分自身のために来る。栄養補給・・・いい言葉だねぇ。自分にご褒美を。」

かつて栄ちゃんから作詞を頼まれた、39歳で会社員を辞め、教員になったファン。「今、毎日がライブです」子供に伝える熱い想い。その姿の輝き。