ピンチはチャンス

昨日の日記でちらりと触れた「OLC本社ビル及び本社別館に関する清掃業務委託契約」の件。
20日の読売新聞朝刊で、「右翼関連会社と契約し、利益供与していた」とスクープされたのが発端のようです。
それに対するOLC公式HPでの回答は、これ。

2. これまでの経緯および業務実績

「中央興発」との契約に至った経緯については、当時の事情を知るものが他界しているため詳細については不明でしたが、これまで、業務実績は納得のいくものであったこと、 金額が世間相場と比較し妥当であること、地元の業者であることから契約を継続してまいりました。

3. 今後の「中央興発」との契約について

2005年8月31日をもって契約を解消

(契約解消の理由)

今般の読売新聞のご指摘を機に、「中央興発」に関する調査を行ったところ、記事にあるとおりの「右翼関係企業」と明確に確認できる材料までは調べられなかったものの、清掃業務開始当時の代表者は、現在のコンプライアンスに照らし合わせるとそぐわない人物であることが判明したことをはじめ、客観的にみて、右翼関係企業との関係を疑われても仕方のない部分があったと認識いたしました。本社の清掃委託業務については、時機を見て子会社に切り替える方針でおりましたので、本年8月31日の契約満了をもって、契約更新をしないことを決定し、契約解消の旨を「中央興発」に通知し、了承を得ております。

報告文、実に的確に、思慮深く、要領よくまとめてあるなぁ!
これを即日まとめあげ、公表できるのはさすが。

時機を見て子会社に切り替える方針でおりました

これはたぶん、額面どうり本当でしょう。自社にノウハウの蓄積はあるし、現にビルメンテナンス子会社も設立してる。


直轄化したい、でも、永年契約してきた企業を、理由無くスパッと切る訳には行かない。
丁度、社長交代する今が、たぶん絶好の機会。もともと契約終了に向けて、働きかけはしていたかもしれませんね。
そこにこの報道。”渡りに船”かもしれません・・・。
今回手際よく対応して、株主総会できっちり説明すれば、新経営陣はしがらみフリーに。
今はゴールデンウイーク後の閑散期。観客動員にもさほど影響はないでしょう。夏休みまでには、決着もついているでしょうし。

「右翼関係企業」と明確に確認できる材料までは調べられなかった

まぁねぇ、各紙報道をつらつら観ても、「右翼関連企業」と断定するには、ちと根拠薄弱かなぁ。
そもそも、「右翼関連企業=悪」というレッテル貼りって、ほんとはあまり意味はない。
「中央興発」という会社が、実際にどんなサービスを提供していたのか、合法的で、倫理的で、対価に見合ったサービスだったのか・・・を問わなきゃ。

金額が世間相場と比較し妥当であること

清掃実務を担当する会社と直取引しなかったのは、場合によっては実務的理由がありえます。ただし「中央興発」のマージンが4割という報道が本当なら、そりゃ高いなぁ。実務担当会社がどのくらいしっかりしてる会社か、そして「中央興発」が受託した業務領域の全てを、ほんとに担当しているのか、に左右されますけれど。

月額900万円が、相場と比べてどうなのかは、業務量見ないとわかんないですよね。


まぁ、なにはともあれ、ほんとに絶妙なタイミング。
対応さえ誤らなければ、OLCにとって、より経営しやすい方向に進む出来事になりそう。
・・・なぁんて、部外者だから気楽なことを言っていられるのでしょうけれど。
でも、ピンチって、脱皮と飛躍のチャンスなんですよね、いつも。
なにがほんとに大切なのかをきちんと見据えて居れば、ピンチをどう活かし、どう脱皮すればいいかが観える。
レッテルに振り回されるのではなく、レッテルを利用するしたたかささえ感じたりして。


そういえば先ごろピンチを迎えた(^^;フジテレビ&ニッポン放送は、ライブドアに「敵対買収者」というレッテルを貼り、「経営権と現在のビジネスモデルを守ることのみに汲々とし、結局、お金をむしりとられただけで終わってしまったように観えちゃうなぁ。
積極的に資源を持ち寄ったなら、群を抜いて先進的な放送局&ポータルサイトになる可能性だって、あったのに。


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余談ですが・・・
共同通信配信の、記者会見で経営幹部が頭を下げている写真、3人きれいに角度が揃ってて、お見事!
http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20050520AS1G2000W20052005.html
http://www.sankei.co.jp/news/050520/sha049.htm
この2紙は、たぶんカメラマンを記者会見に派遣しなかったんだろうなぁ。