シンフォニーヒルズ少年少女合唱団 第9回定期演奏会

たぶん、この合唱団の揺籃期の終わりとなるであろう、節目の演奏会。昨年よりも更に上達して、素晴らしかった。
あとはもう、独唱〜4人ほどで主旋律をうたう際の覇気が更に現れたなら・というくらいしか、私には思いつけない。
初期の無邪気で突き抜けた感じを懐かしくおもい出しながらも、この成長ぶりに立ち会わせていただけてよかったと、幸せを噛み締めている。

ホールほぼ中央から鑑賞。
冨田勲さんと、加藤昌則さんが、観客としていらっしゃっていた。

冒頭、まだホールの響きが暖まっていない段階での、加藤昌則作曲「歩いて行こう」と、信長貴富作曲「リフレイン」で、もう、我知らず涙が出た。


ジュニアクラスの演奏。
小学生だけでも、この完成度だったのか!


宮本益光作詞 加藤昌則作曲「遠い空の下で」。青年になったOBOGの頼もしい声と姿。
歌詞と相まって、ひとが集まり、無かったものを創り、継承されていく、その意味と価値を見せていただいた想いがした。


会場全体での合唱は、3.11以来3年連続で「ふるさと」。団員が客席に降りてきて、観客と手をつなぎながら。

ちょうど私の2列前、冨田先生に「手をつないでいただけますか」と女の子の団員が呼びかけ。ともに歌う光景が暖かくて・・・

休憩


シニアクラス演奏
アカペラで2曲。凄い完成度! 宮本益光さんの指揮に合わせて、自由自在。
昨年に続いての混声合唱挑戦・今年は「鷗」。ぐっと混声合唱らしく成長していた。かなり高レベル。
作曲者・加藤昌則さんに舞台に上がってもらって伴奏をお願いしての「ここで歌うだけ」日本語初演。イギリスの子どものホスピスの曲として創ったのだそうな。子どもの晩年を共に過ごしたお母さんが、その思いを詩にし、加藤さんが曲をつけた。 日本でも「子どものホスピス」についてひろく知ってもらおうと、今回日本語歌詞をつけたとのこと。すううっと染み入ってくる歌だった。今回卒団する高校生9人が各々独唱。ひとりひとり違う持ち味の声・かけがえのない個性。深く伝わってくるなにかが有った。男の子、こんなに綺麗な裏声で歌ってたのか。声量が増したように想う。


団全員での演奏にもどって
三善 晃編曲「唱歌の四季」
完成度が高く、音楽性が深く、客席が自然に、じいっと息を呑んで聴き入ってる。
とてもとても、豊かな時間だった。


アンコールは、
冨田勲さんの「青い地球は誰のもの」 冨田さん、軽く揺れながら、曲の中に入り込んで聴いておられるようだった。今回はオーケストラではなくピアノ伴奏ではあるけれど、イーハトーブ交響曲初演のときとはまた違う解釈での演奏、気に入って居られたのではないだろうか。私は胸をぐっとつかまれた思いがした。


そしてアンコール2曲め、
山本直純さんの「うたえバンバン」元気づけられたし、とても微笑ましかった。


10年目となる来年。ますます楽しみだ!