HKスペシャル 日本人はなぜ戦争へと向かったのか(3)熱狂はこうして作られた

太平洋戦争へと向かう道のりで新聞やラジオなどのメディアが果たした役割が明らかになってきた。政策の決定に大きな影響を与えた熱狂した「世論」の実体に迫る。
太平洋戦争70年特別企画。“日本人は、なぜ、あのような無謀な戦争の道を選択したのか”を、さまざまな角度から検証するシリーズ。第3回は、新聞やラジオなどのメディアが果たした役割を徹底解剖する。軍とメディアと民衆のトライアングルが、時の政策判断に大きな影響を与えていた。明らかになりつつある、熱狂した「世論」の実体に迫る。

番組導入部、キャッチーで巧み。
TVの良さでもあり、悪さでもあり・だなぁ。


戦前のマスコミを知るひとが、既に95歳。
いま、この番組を創らなければ・という危機感が伝わってくる。
国益を守ること優先で、真実を明らかにし誤りを正すなんてことは、どっかに行ってしまった。

国益が天空に輝いているわけで、それは戦争遂行だったんですよ。


行方不明になっていたという録音テープが、日本新聞博物館から発見された様子の映像。
戦前のマスコミ関係者の証言が、音声で残されている。
そして・・・肉声で語られる真実。
なんと、張作霖爆殺事件が、関東軍がやったことだと、記者クラブで軍から教えられていたのだそうな。
しかし、どのメディアも、太平洋戦争終了まで、その事実を報道しなかった。
・・・ううむ。


積極的な世論操作。
その一方で、正論を唱える新聞を、不買運動により圧迫。
信濃毎日新聞の「防空演習をわらふ」騒動は、知っていた。しかし、圧迫に屈し、筆者が退職するにあたり、社内での反発はさしてなかったとは!!!


”空気を読む”ことの恐ろしさ。
僕の世代は、親たちから聴いて知っているひとが、多い。
でも、団塊世代は?団塊Jrは?私たちの子供は?・・・だからこそ、KYなどという言葉が、無批判に拡がったのだろう。
当時の新メディア・ラジオ。南京陥落報道当時11・12歳だった方達が、こう語る。

「勝った勝った、と言われるから、やったやった、と想うよね」
「ラジオは神様だと想ってた」

メディアがおかしくなれば、国はあっという間におかしくなる

戦争は始めさせては駄目だ。
あぁ、こんなひどいことになるんだったら・・・と後悔しても、止められない。
だから、始めさせないことが大切。
そのためには、正直で正確な現実を、互いに伝え合うこと。
・・・と語る95歳の元朝日新聞記者・武野武治さん。


決意さえあれば、戦争は防げる。
最終的には、国民次第なんだなぁ・・・。
国民が、嘘を見抜けず、客観的データを調べず、都合のいい事実のみを信じ、熱狂し、戦争を選んでしまったんだなぁ。


でもさ、それは昔の話じゃァない。
一昨年のインフルエンザ騒ぎを省みるに。
そして、
いまの鳥インフルエンザ報道を観察するに。