白熱教室JAPAN 慶応大学ビジネススクール 第2回

慶応大学ビジネススクールの2回目。今回議論するテーマは「女性管理職のかっとう」。順調に“出世コース”の先頭を走ってきた女性が、キャリアを閉ざされた時、どんな選択をするのだろうか。実際に起こったケースを例に、MBA経営学修士)を目指す大学院生たちが議論する。そして議論を通して、働く女性が抱える問題をあぶりだしてゆく。
出演
【講師】慶応義塾大学大学院教授…高木晴夫

我が身にも起こりかねない、周囲でも起こっている、いや、実際に生徒自身が悩んでいることと通じるテーマだけに、実にリアリティーのある、いろんな意見が出る。
過去、どうしてくればよかったのか。
これから、どうすればいいのか。
思い遣りの深さといい、見識といい、どの意見も見事。実にレベルが高い。


そして・・・実際にこのケースの女性が、この後3年間、どんな道を歩まれたのかが紹介される。
僕自身、じーんと来た。
そこまで討議されたようなことを、たぶんみな検討された末に、あれもこれもそれも、実現すべく取り組まれ、成功されていた。
・・・これは、夢を叶えるという観点でも、経営者として貴重な経験をつむという観点でも、ひととひとのつながりを深めたという観点でも、理想と言っていい3年間だったろう。



1回性。
ひとの人生は、みな違う。やり直しは効かない。


けれど、それでは学問は成り立たないので、類型を見付け出して取り扱おうとする。
職業に関して、多いパターン

  • 22-28歳 拡大・・・可能性を広げる

勝ち負けが見えてくる・身体が効かなくなる

  • 28-33歳 収束・・・俺ってこの位かな

絞り込んでいく。自分にとって大切な物がみえてくる

  • 33-40歳 結晶化・・・コアバリューをつくっていく

加齢・厄年・人間関係・・・40歳くらい(35-45)。身体も変化、子どもが手が離れ始める。家庭の中の力関係が変わってくる。社会で一人前視されるようになる。
その時にはわからないけれど、あとになって振り返ると、あれが転機だった・・・とわかる。

40代の生徒から、切実な質問が。
「結晶化というのは、社会的・肉体的、どちらから絞り込むことを迫られてしまう・ということなのか」
どちらでもない・と先生は答えた。

結晶化以後、自分で生きている・自分の為に生きている・自分を大事にしている・・・という感覚が自分の中で生まれると
50代 充実。
その感覚が生まれていないと、定年退職後、なにをしたらいいのか・・・になる。

なるほど、自分にとって大切なものがわかってくる、他のものを考慮に入れなくてもよくなっていく・という感じなんですね。

自分のそとのもの・・・名声とか地位とか・・・に価値を見出しても、もちろんいいんだけれど、自分のそとのものって限りがある。仕事を終えれば、終わり。
・・・ここまでこの授業で踏み込むつもりじゃなかったんだけどね、若いみんなには刺激が強すぎるかな。


これ、60代になったからできる授業で、40代のころだったなら「データではこうなってます」・・・説得力もなにも無いよね。

「可能性を広げるためには、悩んだほうがいいんですね・・・」という生徒の感想に、
先生は、禅宗のお坊さんの話を紹介した。

師が、お弟子さんに
「ほんとうに困ったときは、この箱を開けろ」
開けずに済んだ。亡くなるとき、弟子に同じように言って、その箱を渡す。
・・・・・そうして数代、開けられないまま箱が受け継がれてきた。
しかしついに、困りに困った弟子が、箱を開けた。
そこにはこう書いてあった。
「なるようになる、心配するな。」

「こんな言葉で終わる授業があってもいいよね。ちょうどぴったり、これで終わります。」


・・・いやぁ、しびれるほど感動的な授業だった。

僕自身の人生とつなげて

僕自身の志は、
とりあえず言葉にするなら、
”健康で、滋味あふれる暮らしに貢献する”
みたいな感じで、
概ね言い表せているし、網羅できているように想う。


就職の時、そんなことを想って、今勤務している会社を選んだ。
子どもの時から、こんなことを願っていたし、
プライベートでも、仕事においても、
興味の対象は、みなこの言葉につながってくる。


じゃぁ、どんなのが健康で滋味あふれるこころなのか。
・・・そこここにある美しさや尊さを、すっと見出し、じんわり感じられるようなこころ、みたいな感じかな。
どんなのが健康で滋味あふれる仲間なのか。
・・・互いに尊重し合い、持ち味を存分に活かし合うような仲間、みたいな感じかな。
どんなのが健康で滋味溢れる社会なのか。
・・・誰にとってもうまくいく社会、みたいな感じかな。


拡大-収束-結晶化 のパターンに、自分の職業経験を当てはめられるか。
22-28歳だと、大学→就職→研究所所属時代まで、か。もうちょっと先、38歳くらいまでは、拡大期だったんだなぁ。
するってぇと、今が収束期?・・・ふむ。そこから結晶期に、ようやくむかいつつあるところかも。たはは。