グレイス・ハンドベルクワイア クリスマスコンサート Holy & Bright

日本ハンドベル連盟直属のハンドベルクワイア、Grace Handbell Choirのコンサートに出かけてきました。
ハンドベルを、本格的なホールで聴くのは初めて。
残念ながら開演に間に合わず、4曲目から。ほぼ満席で、1回の一番後ろ、ほぼ真ん中に立って聴く。


まず驚いたのは、その響き。
チャイムやオルゴールをイメージしていたが、むしろ・・・パイプオルガンのようにふわーんと倍音が共鳴する。これは録音やオープンエアでの演奏ではわからなかった味わいだった。かわいらしいというよりも、むしろ荘厳な気持ちになる。
音色も豊富。オープンで鳴らす、ダンプして鳴らす、机にあてる(弦楽器のピチカートのような音がする)、机の上に置いたまま手で打ち子をはじく、マレットでたたく・の5種類だろうか。それぞれピアニッシモからフォルテッシモまで、そして、残響のコントロールも。で、音域も広いから、やろうと思えばあらゆる曲を演奏できそう。
いっちばん響きの堪能できる場所で、贅沢な体験をさせていただいた。


休憩の後、奏法をしっかりみたいと、前方に。5列目の右通路わきに着席した。
で・・・後半一曲目が、この曲。

ホルスト組曲”惑星”から、ジュピター
冒頭、トレモロが奏でられ始めた途端、度肝を抜かれた。えっ、全曲やるんだ!!!
想像できるだろうか。このダイナミックな曲を、ほぼフルスコア、ハンドベルでの演奏。
・・・鐘の宿命なのか、前の方に座ったからか、高音域の和音の響きが濁って感じられた。アンジュレーションも磨く余地があると想った。
想いつつも、涙が出てきた。深く感動した。
大好きな曲。にもかかわらず、これを聴いて涙したのは、たぶんはじめてだよなぁ・・・。
冨田 勲さんのシンセサイザーによる”惑星”や”展覧会の絵”同様、新しい音色で表現をしたことが、新しい価値を生んでる。
公演を重ねていかれたなら、さらにこの曲、磨きがかかるんだろうなぁ・・・・・。


一転して次のシャロンズ・ソングは、シンプルな構成で、深い演奏。ファースト・ノエルもとても深みがあった。
赤いスイートピー涙そうそうはしっとりと美しく、
サンタが街にやってくるは楽しく。
アンコールは、アンダーソン作曲のクリスマスソング・・・お、ディズニーランドのBGMでかかってるクリスマス曲メドレーって、これだったんだ!
後半2曲目以降はもうすべて”非の打ちどころのない演奏”という感じでした。


アンケートで”気に入った曲を5曲以内で選んでください”とあって、実に困った(^^;
まっさきに選んだのが、ジュピター。
つぎに、ファンタジー第4番と、シャロンズソングと、ファーストノエル。
あとはもう、迷いに迷って、なにに決めたんだったっけか・・・




とっても技量とチームワークが要求されるジャンルだろうなぁ・とは想っていた。
その想像をはるかに超えて、これは大変だ。
音色があんなに豊かなのに、一音一音、別々の人が奏でながら旋律をつむぐわけだから、
「いま、この瞬間のこの旋律には、こんな響きのこの強さの音」というイメージを共有しなければいけない。
しかも、そのイメージ通りの音を奏でられる腕前を、全員が持っていなければいけない。
僕もこういう音楽をやっていたなら、もっと協調性のある人間になれたかもしれないなぁ!