ガイアの夜明け 上海万博と日本企業

開幕の日、ずらりと並んだエスカレータにたくさんの人々。大阪万博のよう。

結婚式場を展開する、福井の企業

披露宴の習慣はあるが、結婚式はやられていなかったので、チャンス・・・と進出。
上海の通常の披露宴の、20倍の費用。でも半年先まで予約がいっぱい。
まるっきり全盛期の日本流の披露宴・女優のように堂々と楽しむ新婦さん・ラフな服装の出席者たち。

太洋工業

大阪万博アメリカ館などで一躍名をはせ、いまや膜建築の世界シェア80%。
上海駅の大改装と、万博の16のパビリオンを受注。
ベルギー館の難しい形状のオブジェ・素材と設計に工夫を凝らし、ようやく受注・ヨットの帆を縫う職人二人の工房での製作作業・設置での苦闘・・・

コングレ(日本最大手のコンベンション企業)

ディズニーシー・エレクトリックレールウェイの元キャスト加藤さんが、2008年・森ビルが上海に造った高層ビルの、世界一の高さの展望台オープニングスタッフの研修を。以来駐在。
万博では、大阪館アテンダントの研修を担当する。「日本人には出来ても、私は中国人だから、こういう接客は恥ずかしい。演技してるみたい・・・」と反発を覚える女性・チョウさん。
客の立場で、2つの観光地を体験させる。ひとつはTV塔の展望台。投げつけられるチケット・客がThankYouと声をかけても返事さえしないエレベーターガール・誘導しない展望台スタッフ。一方で、森ビル経営の展望台。あまりの違いに納得するアテンダントたち。「やってみると、楽しいわよ。毎日いろんなひとたちに出会えて」とにこやかに語る姿に、チョウさんもにっこり・やる気満々に。
プレオープン初日。混乱するイタリア間入り口。加藤さんが飛んでゆき、すぐ、TDR流の対応を教える。どんどんお客さんを建物に沿って細長く伸ばし、入り口付近には最後尾を案内させるスタッフを。あっという間にスムーズな入場待ち列が。
一方、ドイツ・イギリスは大混乱・閉鎖せざるを得なくなる。
イタリア館入り口に殺到する客、やむなく閉鎖。しかしなお、押し寄せる客・・・。
加藤さんは、イタリア館スタッフと入念に検討をする。


公式オープンの日。
イタリア館入り口は、大きく鉄柵で囲われ、広々。待ち列エリアはすこし離して、じぐざぐに・明確に。すこしづつ区切りながらの入館。みな、TDR流。加藤さんGJ!
日本も、大阪万博の経験を通じて、大勢の客のコントロール手法を確立したんだよなぁ。それが、東京ディズニーランドに生き、そしていま、上海に。
加藤さんが語る。

まだ世界一かどうかはわからないですけれど、世界一のサービスを目指します。そして、それを世界にひろめたい。


まとめの映像。
上海の高層ビル展望台にて

「いらっしゃいませ」(と、チケット半券をちぎる)
「いらっしゃいませ、ごゆっくりお過ごしください」
こうした接客が、中国ではまだ驚きをもって迎えられる、というのは驚きです。

いえいえ、なにをおっしゃいますやら。
日本だって、こういう接客があたりまえになったのは、東京ディズニーランドの開園以来・徐々にです。
あたりまえになってしまうと、昔っからそうだったかのように感じてしまうけれど。
ほんの10年前、日本の道は吸殻だらけだった。
ほんの20年前、それに加えて、空き缶のプルトップだらけだった。


だからこそ、今の中国に伝えられる経験とノウハウが、私たち日本にはある。