今後、このインフルエンザA(H1N1)がどのような展開を示すか要注意であるが、僕は少なくともこのインフルエンザを、”新型インフルエンザ”なる区分から外すべきと思っている。
 流行の特性からみても、日本人が免役をもっていない新しいインフルエンザとは思えないし、それが全国に拡大して、何らかの健康危機につながるとは思えない(現状のことである)。発熱外来で、エボラ出血熱患者のごときスクリーニングをする対象の疾患とは思えない。鑑別診断にあたるスタッフが大変だ。

いまの体制を、ずっと続けるわけには行かない。
僕たちは、マスク・消毒薬の消費と、味気なく横一列に並んで食べる昼食ぐらいのデメリットだから、まぁいいけれど、
医療関係者の負担は、かなり大きそう。それは、僕たちにも大きなデメリットになる。もっと意を注ぐべき疾患や、救急対応に、しわ寄せが行きかねない。医療ミスだって起き易くなるだろう。


じゃぁ、どうやめるか。


低リスクウイルス向けの行動計画を策定し、実施する・・・のが、理想形だと想う。
現時点で政府からの指示は、かなり柔軟なものになり、実質「低リスク向け行動計画」にスイッチしてる。集会の自粛も、企業の業務制限も、要請はされていない。
・・・しかし。企業も学校も団体も、当初の行動計画よりも緩めてはいるけれど、”特別な対応”をなにかしらせざるを得ない雰囲気なのが、現況ではないだろうか。


それはそれで、いいのかもしれない。あまりデメリットが大きくなければ。
ほんとうの新型インフルエンザが来たときの、予行演習になるかもしれない。
衛生意識が向上する機会になるかもしれない。
でも逆に。
対策疲れしてしまい、有名無実化するかもしれない。
ほんものの新型インフルエンザが来ても、しっかりした対応を取れなくなってしまうかもしれない。


対策疲れしない程度の、なるべく有意義な対応を、日常化してしまう・・・というのが、ベストなのかもしれないなぁ。


特別対応をやめ、もとの日常に戻るには、
「今回のウイルスは、”新型”ではありません」
「今回の流行は、終息しました」
のどちらかの宣言が必要そうですね、いまの日本では。