新型インフルエンザの、具体的リスクを考察してみる

 病原菌との長い闘いの中で、人間は何度も差別や過剰反応といった過ちを繰り返してきた。どれだけ科学や情報網が発達しても、感染症の広がりを前にすると、不安を制御できなくなってしまうものなのだろうか。

不安を解消するには、きちんとリスク評価をして、具体的に行動を起こすのが一番。
で、自分自身について、やってみた。

僕自身の健康へのリスク

僕がインフルエンザに罹患する確率は、数ヶ月前のほうが格段に高い。
しかも、12月ごろはやってたやつのほうが、症状も重そうだし、治癒も遅そうだった。

業務に支障が出るリスク

みな免疫を持たないがゆえに、僕が起点になって、あっという間に職場の多数が感染・発症してしまう可能性はある。
すると、数日間、業務が成立しなくなるかもしれない。
でもどうやら、感染力も、季節性のインフルエンザ程度のようだ。

公衆衛生上のリスク

感染が拡大すると、病原性が高いウイルスに変異する可能性が高まる。WHOも、もっぱらこれを警戒しているように、僕は捉えている。
しかし・・・通常流行しているインフルエンザウイルスよりも、今回のウイルスは、病原性を獲得する可能性が高いだろうか?
豚・人、両方への感染能を持つという点では、豚の体内で、鳥インフルエンザウイルスとの遺伝子交雑を起こす可能性が高いのかもしれない。だとしたら、豚への感染をケアする必要があるかも。

・・・ということは

僕自身は、別に特別な対策なんて、不要じゃないか。
いつもどおり、健康管理に留意していればいい。体力を温存し、手洗いを励行し、人ごみはなるべく避け。
しかし、なにか特別な対策をしなければならない、わけがある。それは・・・

風評被害のリスク

もし僕が、”東京都初の感染者”"xx業界初の感染者”になって、報道されたら。
勤務先は、風評被害にさらされるリスクがある。


あぁ、馬鹿馬鹿しい。
かくして、マスクが店頭から払底するわけだ。

感染者がマスクをせず、その周りの健常者がマスクをしている状況は異常です。
CDCでは「予防用のマスクはするな」と言っています。
本当に必要な人にマスクを回すために必要な判断だと考えます。
厚生労働省ではマスク増産をメーカーに依頼しているようですが、最大1億枚/日を想定しているのでしょうか?
それとも同じマスクを何日も使うことを薦めているのでしょうか?
そして国の方針として供給量、使い方を含めた実態として、予防用にマスクの使用を呼びかけることで、より安全になるのでしょうか?

アメリカCDCによると、マスクは、適切な使用・廃棄を行わないと、かえって感染リスクを増す・・・とのこと。


思うことを語ると、必ず批判の声が起こります。
 個人的に話を聞くと、多くの専門家は僕と同じ事を語っているのですが、テレビカメラに向かうと、差し障りのないことしか口にしません、とは某テレビ局の記者さんの言葉です。

だからこそ、思うことをそのまま語ってくださる専門家は、貴重。


みなが、思うことを率直に語りあう。
率直に語られた意見たちのなかから、あらためて、各自の状況に適合している視点を、ひとりひとりが主体的に選びなおす。
それでこそ、成熟した市民社会だろう。
外岡先生の率直な意見が、インフルエンザ対策を具体的に考える上で、どれほど役立ったことか。




と書いているうちに

 東京都は20日、米国への渡航歴がある八王子市在住の女子高校生(16)について、都健康安全研究センターの遺伝子検査で新型インフルエンザ感染が確認されたと発表した。

 簡単に言えば高校生を中心に若い世代が感染・発病するのが現在のインフルエンザA(H1N1)の特徴である。20代以上の発病者は少ない。ましてやおじさん、おばさんの世代の発生は極めて少ないし、10歳以下の子供の発病も少ない。


 もし感染拡大対策の切り札があるとしたなら、高校の夏休み前倒しであろうか。
 高校生が密な場所で長時間過ごす状況を少なくすることが対策の要である。


 中高年層の感染は少ない。
 企業が対策を強化するのは半年早い。今はおじさん達は発病しづらい。
 たぶん中年以上は免疫をもっているのだろう。


 変わった新型インフルエンザである。

ぶっちゃけ、ほんとに”新型”インフルエンザなんだろうか?
毎年流行するのはマイナーチェンジ、”新型インフルエンザ”はフルモデルチェンジ・・・ということになっている。
ほんとに、フルモデルチェンジに値する”新型”なんだろうか・・・。


もっとも、どちらでもかまわないですね。
やるべきことを、やるのみ。