安心と安全は違う

TDRの折損事故報告、ぞじて、中国産冷凍食品中毒から想うこと。


"消費者”は”安心”を求める。
”経営者”も”安心”を提供したがる。


でも、ほんとに大切なのは、”安全”。
そして恐ろしいことに”安心”と”安全”は、しばしば相反する。


”技術者”としては、”安全”をこそ提供したい。
”生活者”としては、”安全”をこそ求めたい。


詳しくはここに、おいおい追記します。



2/1 1:03追記
新聞記事だけだと、”原因は金属疲労”にとどまってて、
「えーっ!!!それは真因じゃない。金属疲労が発生した・見逃した理由はなにかにさかのぼり、対策を打たないと。
役員報酬2ヶ月カットなんて、しなくていい・ってか、再発防止と何の関係もなし!!!」って思ってました。
今、をようやく読みました。うん、このレベルの掘り下げなら、安全。


”安全”でなく、”安心”を追いかけちゃうのは、マスコミなのかもなぁ。
マスコミこそが、真の”安全”を追及・啓蒙してほしいよなぁ。
そうすれば、日本はもっともっと素敵な社会になる!



2/4 3:57追記
さて、これで”パレードフロートの破損”はなくなるでしょう。
でも、それ以外は?
なんでもかんでも、OLCの技術陣がダブルチェックするわけには行かないですよね。
もし人員を増員しないのであれば、新たな仕事が増えたことで、既存の仕事がおろそかになっちゃう可能性すらある。


他分野での類似事故を防ぐためには、もう一段、掘り下げる必要があります。
”なぜ、フロート製作会社は、無資格者に金属疲労探知検査をさせざるを得なかったのか。”


OLCさんが、業者さんとどのように接してきたのか。
発注時、仕様検討時、延長公演を検討するとき。設計者・製作者の意見を、どの程度聴いていたのでしょう。
メンテナンス項目の決定や、経営資源の配分、メンテナンスシステムの監査。どの程度しっかりとやられていたのでしょう。
どう接していたなら、フロート製作会社は、十全な金属疲労探知検査が出来たのでしょう。


ここをきちんと見据えれば、さまざまな分野にわたって、”あ、あの委託作業も、これもやばい”という部分が、必ず見えてくるはず。
たとえば食材の仕入れ、エンタテイナーのマネジメント、電気工事、建築工事・・・
外部に委託することで、見落とされていること、おろそかになっていることが、たぶんある。


”安全”の追求という面から見たとき、
金属検査そのものを、業者さんとOLCで二重にやるというのは、たぶん、最上の策ではないでしょう。
ましてや、会長と社長の報酬カットなんて、なんの効果もない。萎縮を生むという逆効果すら起きるかも。
たとえば、なにかを検討する際、業者さんや他部門のひとと、フランクに意見交換をする。
何をなすべきかを決めたら、それが確実に出来るよう、業者さんをサポートする。
検査そのものを2重にするよりも、業者さんが、為すべき仕事をきちんと成せる様に、する。そのほうが、ずっと効果的で、幅広い分野の安全を確保できるはず。


でもね、”安心”感を与えるには、
「ダブルチェックをやります、社長と会長が報酬減らします」・・・というふうに、”しんどくて、痛い思いをする”な方向のほうが、溜飲を下げてもらいやすい。


一技術者としては、実にくだらないことだと思います。
「どうすれば、各組織・各個人の力を、最大に発揮・活用できるか」という方向でものごとを観て動かせば、ずっと楽に、ずっと効果的に、仕事の質が上がる。逆に、しんどい思いをするような対策は、形骸化しやすいし、ほかに無理が出やすいです。