正しさとは 2

正しさ・・・モデル化とその限界の続きです(^^)

「宇宙はきれいな法則で成り立っている。心の持ちようが美しい人は美しい現実を引き寄せる。憎めばあなたにとって悪い現実が引き寄せられる。あなたは他人を直させることに熱心で、自分を直すことにはいたく消極的だ。地球にとって、人間にとって良い原因をあなたが作るべきである。この法則は神ではない。故に誰かの意志ではない。原因と結果の法則は、宇宙を、そしてあなたを貫いている」

子供と考えてみると良い。どんな時に人間は嬉しくて温かい気持ちになるのか。自分が何かをして喜んでもらった時、掃除をして喜んでもらった時、話を聞いて一緒に泣いた時、相談事を親身になって聞いた時、他人の嬉しさを共に喜んだ時、道を聞かれて説明したら丁寧に御礼をされた時、交番に落し物を届けた時、スペースシャトルで人間が宇宙に行ったのを見た時、スポーツ選手が新記録を打ち立てたのを見た時、テレビで子供がうまくお使いをこなしたのを心配しながら見た時…。
人間は喜びをエネルギーに変えていける生き物だ。

私の経験と、この法則は一致しています。そういう基準から観て、この2つの法則は「正しい」。
幸せに生きるという観点から観て、これら法則を心に留めながら生きることは役に立つので「善」。
そして、共感できる体験を、たぶん大多数の人々はお持ちでしょう。だから、共通理解のもととなり得る。根源的に大切なものに、かなり近い。



・・・という、参明学士さんとほぼ同じ論旨を、違うレトリックで以下語ります。

63億人の人間がどのように考えても「地球が楕円形である事実」は変えられない。すなわち地球が楕円形であることは正しいと言える。現在のところSo-net blogがβ版である事実は我々がどう思うとしても「変わらない」。β版であることは正しいと言えよう。

いいえ、絶対的に「正しい」わけではありません。
あくまでも、ある基準と目的に即して「正しい」と言えます。



地球の形に関しては、このページが詳しいです。

実際の地球の形は,山や谷や海があり,基準面としては複雑すぎて実用的ではありません。そこで,できるだけ地球の形に近く,そのうえで,できるだけシンプルな形の基準面を決める必要があります。
 地球の形をもっともよく代表するモデルの一つは、ジオイドですが、ジオイドも複雑な起伏があるので基準面としては不適です。そこで、ジオイドに極めてよく似るように決められた回転楕円体を考え、地球の形を代表するものとします。これを地球楕円体と呼びます。

回転楕円体も、ジオイドも、実際の地球の形とは違います。あくまでもモデル。
また、地球を完全球体として捉えることも、また、平面として捉えることさえも、「間違い」ではありません。目的や用途によっては、そういうモデルを使うほうが「正しい」。



そして。「So-netの運営者がどう言っていようと、これだけたくさんのユーザーが居て、交流も盛んな状況を、もはやβ版などと呼ぶべきではない。」なぁんて強弁することも可能です。で、得てしてそういう「正しさ」を振りかざす人に、いかに「So-net Blogがβ版である」ことが正しいかを説いても、意固地になるばかり・・・というのは、往々にして経験するところであります。



正しいか・正しくないか が重要なのではありません。むしろ、それを論議すると、得てして対立が深まり、衝突が激しくなる。

生き方の基準が外から提示されるものだった時代、「正誤」「善悪」という言葉には、「存在否定」がしばしば密接に絡んできた。だから未だに私たちは、「正誤」「善悪」という判断に感情を大きく揺さぶられがち。「正しく」ありたい、「善」という評価を確立したいと、執着しがち。
「うまく行く・行かない」「効果的・効果的でない」と言い換えたほうが、不要に感情を揺さぶられず、どういう基準に照らしての評価なのかが浮き彫りになりやすいとは感じています。
そう遠くない将来、ニュートラルに「善悪」「正誤」を語れるようになるのでしょうけれど。

何度も書きます。
どういう基準に照らして、正しいのか。
どういう目的を果たすために、その基準を適用するのか。
なにを大切にしたいのか。
・・・それを語ることが、相互理解の秘訣。


「正邪」「善悪」という言葉は、むしろ、封印して他の言葉で言い換えたほうがいいくらい(^^)。

「各人の座標軸」という天秤にかけられた「本質的で重要な正しさ」を公(おおやけ)の元に取り出して、誰に対しても平等に与えられる「正しさ」に置き換えたい

「正しさ」には基準がつきもの。「絶対的正しさ」を求め・守ろうとすることで、過去どれだけたくさんの血が流れてきたことか。
「正しさ」はいつも条件付だということをしっかり認識し、各人の座標軸を健全に磨くことに意を注ぐべき・・・というのが、私のレトリックです。
それは、参明学士さんが言いたいことと、実は、ほぼ同じ内容。
各人の座標軸が健全に磨かれたならば、根源的に大切なことを基準にした「正しさ」もほぼ一致するから(^^)