コミック寅さん[8] 男はつらいよ 寅次郎相合い傘 学研

ISBN:4056012067
次男が図書館で借りてきた。ひと寝入りしたあと、転がってたので読む。
名作の誉れ高いが、映画でもビデオでもTVでも観た事が無く、今回コミックで初鑑賞、感動。
センス良いぞ!>次男


味わい深いお話の中から、心に響く台詞をひとつ。
大会社の専務”パパ”。すべてが嫌になり、失踪し、寅さんと出会い、旅をし、なにかが吹っ切れて、家に戻る。
ある日、とらやにやってくる。社長になって欲しいと頼まれた。だが、ぼくはもう出世だの努力だの地位だの、そういうものにまきこまれるのは嫌だ。寅さんのように自由に生きたい。
寅さん曰く

いいかパパ
考え違いをしちゃいけないよ。


パパはおれのようにはなれないし
おれもパパはようにはなれない

それぞれの人生、それぞれに背負い、とらわれ、しがらみ、あこがれているものがある。
それぞれ別々の生きかた。それを取り替えることは出来ない。その人にしか為せないこと、出来ない生きかたがある。
でも、そこに価値がある。
それぞれ違った生きかた。違う生きかたがあると知ることで、違う人生に触れることで、視野が開ける。覚悟が変わる。歩み方が変わる。


ひとみんな、赤ちゃんも含めて誰一人例外なく、
僕の知らない景色を見、僕のしていない体験をし、僕の持っていない視点をはぐくんでいる。
僕たちが別々の存在として生きていることに意味があるとしたら、きっと、これではないだろうか。


僕一人、どんなに長生きしても、いいとこ300年。それだけの人生しか体験できない。
ほかのひとと出会うことで、1000年、10000年、100000年分の体験のエッセンスを、味わうことが出来る。
交通機関も、情報機器も、急激に発達し、交流が増している。80日間で世界が一周できるようになったのは、100年少し前。
ひとへの知見も、急激に進歩している。フロイトが無意識を発見して、まだ100年強。
古今東西、たくさんのひとが、それぞれに真理を説いてきた。でも、50年前、大学に進めたのは、いったい何パーセント?ソクラテスがどんな人か知っている日本人は、そして老子を知っている西洋人は、この150年でどれだけ急激に増えたことだろう。
さぁ、どうなっていくのだろう!わくわくするなぁ!!!


次男が今回借りてきたラインナップは、ほかに・・・

・・・ほぉ、いいセンスしてるじゃないか(^^)